
高齢になると、足の筋力低下や靭帯のゆるみ、骨格の変化によって外反母趾が進行しやすくなります。さらに、外反母趾による歩行の不安定さや痛みは、転倒リスクを高める要因にもなります。転倒は骨折や寝たきりの原因となるため、早い段階での予防とケアが重要です。本記事では、高齢者に多い外反母趾の特徴と、転倒予防につながる足のケア方法を解説します。
高齢者に多い外反母趾の特徴
- 親指の変形が長年かけて進行し、角度が大きい
- 痛みよりも歩行の不安定感や疲れやすさが目立つ
- 足の幅が広がり、靴選びが難しくなる
- 足裏のアーチが低下し、偏平足や開張足を併発している
外反母趾と転倒リスクの関係
- 歩行バランスの低下
親指の蹴り出し力が弱まり、つまずきやすくなる。 - 痛みによる歩行制限
痛みを避けるために不自然な歩き方になり、体のバランスが崩れる。 - 筋力低下
足や下半身の筋肉が衰えることで、踏ん張りが効かなくなる。
転倒予防のための足ケア
靴選びの工夫
- つま先に余裕があり、足幅に合った安定感のある靴を選ぶ
- 滑りにくい靴底や軽量タイプを活用
- ヒールは2〜3cmまでの低めを選択
足の筋力トレーニング
- 足指じゃんけん:グー・チョキ・パーを繰り返して足指を鍛える
- タオルギャザー:足指でタオルをたぐり寄せる
- 踵上げ運動:ふくらはぎと足首の安定性を高める
バランス訓練
- 片足立ち(安全のため壁や手すりを支えに)
- 足踏み運動で体幹と下半身を同時に鍛える
医療機関・専門家のサポート
外反母趾の角度が大きい場合や歩行に不安がある場合は、整形外科や足の専門外来で相談しましょう。オーダーメイドインソールや装具で足の安定性を高め、転倒リスクを下げられます。
まとめ
高齢者の外反母趾は、痛みだけでなく歩行の不安定さを通じて転倒リスクを高めます。靴選びや足の筋力トレーニング、バランス訓練を習慣化することで、安全で安定した歩行を維持できます。日常の小さな工夫と継続的なケアが、転倒予防と健康寿命の延伸につながります。