
外反母趾は、足の親指が小指側に曲がり、付け根が突出してしまう足の変形です。統計的に女性に多く見られることが知られています。では、なぜ女性に外反母趾が多いのでしょうか。その背景には、靴の形や生活習慣、体の構造やホルモンの影響など、複数の要因が関係しています。
本記事では、女性に外反母趾が多い理由を医学的・生活習慣的な視点から解説し、予防のためのポイントも紹介します。
女性に外反母趾が多い理由
1. 靴の影響
女性が好むことの多いハイヒールや先の細いパンプスは、つま先を圧迫し、親指を内側に押し込むため、外反母趾の発症リスクを高めます。特にヒールが高い靴は体重を前足部に集中させ、親指の付け根への負担を増大させます。
2. 関節や靭帯の柔らかさ
女性は男性よりも靭帯や関節が柔らかい傾向があり、足の骨格が安定しにくいことが知られています。そのため、足のアーチが崩れやすく、外反母趾になりやすい条件がそろいやすくなります。
3. ホルモンの影響
妊娠中や更年期はホルモンバランスの変化により靭帯が緩みやすくなります。靭帯が緩むと足の横アーチが崩れやすくなり、外反母趾が進行するリスクが高まります。
4. 遺伝的要因
母親や祖母が外反母趾だった場合、同じ足の形や骨格を受け継ぎやすく、発症しやすい傾向があります。
特にエジプト型の足(親指が最も長い形)はリスクが高いとされています。
女性のための予防ポイント
靴選びを見直す
- つま先にゆとりのある靴を選ぶ
- ヒールは3cm以下を目安にする
- 長時間ヒールを履く場合は、移動や休憩時に履き替える
足の筋力を保つ
- タオルギャザー運動で足裏の筋肉を鍛える
- 足指ジャンケンで柔軟性を保つ
- 裸足での軽いウォーキングやストレッチを習慣化する
妊娠・更年期のケア
- 妊娠中は足のむくみや変化に合わせて靴を選び直す
- 更年期は運動習慣を維持して筋力低下を防ぐ
定期的な足チェック
- 親指の傾きや付け根の膨らみを観察
- 違和感や赤みがあれば早めに医療機関へ相談
まとめ
外反母趾は女性に多い疾患で、その背景には靴の影響、関節や靭帯の柔らかさ、ホルモンの変化、遺伝などが関係しています。しかし、靴選びの工夫や筋力維持、早期チェックを習慣化することで予防は可能です。
特に女性はライフステージによって足の状態が変わるため、その時々に合ったケアを心がけることが大切です。健康な足を保つために、今日から予防を始めましょう。