外反母趾

外反母趾の診断方法|レントゲン検査でわかること

Foot of gout patient.Close up Painful and inflamed gout.

導入

外反母趾は見た目でもある程度判断できますが、正確な診断と進行度の把握には専門的な検査が必要です。特にレントゲン検査は、骨の角度や関節の状態を詳細に確認できるため、治療方針を決めるうえで欠かせません。

本記事では、外反母趾の診断方法と、レントゲン検査で何がわかるのかを詳しく解説します。自覚症状が軽くても進行している場合があるため、早期診断が重要です。


外反母趾の診断の流れ

外反母趾の診断は、まず問診から始まります。患者さんの生活習慣、靴の種類、家族歴、痛みの部位や程度などを確認します。次に視診と触診を行い、親指の角度や付け根の突出、炎症の有無をチェックします。

軽度であっても症状が出やすい靴や動作などの情報が、治療の参考になります。


レントゲン検査の目的

レントゲン検査は、外反母趾の角度や関節の状態を数値化するために行います。特に重要なのは「外反母趾角(HVA)」と「第1・第2中足骨間角(IMA)」です。

  • HVA(Hallux Valgus Angle):親指と第1中足骨のなす角度で、15度以上になると外反母趾と診断されます。
  • IMA(Intermetatarsal Angle):第1・第2中足骨のなす角度で、9度以上が異常とされます。

これらの角度測定によって、軽度・中等度・重度の分類が可能になります。


進行度の分類(一般的な基準)

  • 軽度:HVA 15〜20度程度、痛みが軽いか無い状態
  • 中等度:HVA 20〜40度、歩行や靴選びに支障が出始める
  • 重度:HVA 40度以上、強い痛みや関節変形、歩行障害が顕著

レントゲンでわかるその他の情報

レントゲンは角度測定だけでなく、関節の隙間や骨の変形、骨棘(こつきょく)の有無、関節炎の進行度も確認できます。また、外反母趾と併発しやすい変形性関節症や関節リウマチによる影響も把握できます。

これらの情報は、手術の適応や保存療法の選択に直結します。


自覚症状が軽くても検査が必要な理由

外反母趾は見た目の変化が軽くても、骨の角度が基準を超えていることがあります。特に家族に外反母趾が多い人や、靴による違和感を感じる人は早めの検査がおすすめです。

レントゲン検査は短時間で済み、放射線量もごく少量のため、身体的負担はほとんどありません。


まとめ

外反母趾の正確な診断には、問診・視診・触診に加えてレントゲン検査が重要です。HVAやIMAといった角度測定で進行度を客観的に判断でき、治療方針の決定に役立ちます。

自覚症状が軽いうちから検査を受ければ、早期対策によって症状の進行を防ぎ、将来の手術リスクを減らすことが可能です。足に違和感を感じたら、早めに専門医の診断を受けましょう。

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