
導入
外反母趾は、足の親指が小指側に曲がり、付け根が突出して痛みや炎症を引き起こす足の変形です。進行すると歩行が困難になり、日常生活に大きな影響を及ぼします。その改善や予防に有効な方法のひとつが「Hohmann(ホーマン)体操」です。
ゴムバンドやチューブを使って足指の筋肉を鍛え、親指を正しい位置に導くシンプルなエクササイズで、特に軽度〜中等度の外反母趾に効果が期待できます。
ここでは、Hohmann体操の正しいやり方とポイントを詳しく解説します。
Hohmann体操とは?
Hohmann体操は、ドイツの整形外科医ホーマンが考案した外反母趾改善のための運動療法です。
足の親指の外転筋(外側に開く動きに関わる筋肉)を鍛えることで、変形の進行を防ぎ、痛みの軽減や歩行機能の改善を目指します。器具としてはゴムバンドやセラバンドを用い、足指の開閉運動を繰り返します。
用意するもの
- 幅2〜3cm程度のゴムバンドまたはセラバンド
- 座って足を伸ばせるスペース
- 裸足で行える環境(滑らない床がおすすめ)
Hohmann体操のやり方
- 準備
座った状態で両足を前に伸ばし、足首が動かしやすいよう姿勢を整えます。 - バンドを装着
親指の付け根部分にゴムバンドをかけ、もう一方の端を固定します。固定は反対の足や椅子の脚などに引っ掛けます。 - 外転運動
親指をゆっくり外側(足の内側方向)へ開きます。このとき、他の指や足首はできるだけ動かさないようにします。 - 戻す動作
親指を元の位置に戻します。このときも急がずゆっくり行います。 - 回数とセット数
10〜15回を1セットとして、1日2〜3セット行うのが目安です。
効果を高めるポイント
- 動作はゆっくり、筋肉を意識しながら行う
- 呼吸は止めず、自然に行う
- 痛みがある場合は無理せず、負荷を軽くする
- 毎日継続することで効果が現れやすくなる
他の運動との組み合わせ
Hohmann体操は単独でも効果がありますが、足指じゃんけんやタオルギャザー運動と組み合わせると、足の筋力全体がバランス良く鍛えられます。
また、靴の見直しやインソールの併用で、より高い改善効果が期待できます。
まとめ
Hohmann体操は、外反母趾の予防・改善に有効な簡単エクササイズです。ゴムバンドを使った親指の外転運動により、足の筋肉を鍛え、関節の負担を軽減します。軽度のうちから継続して行うことで、症状の進行を防ぎ、快適な歩行をサポートします。
器具も手軽に入手できるため、今日から自宅で始められるケア方法としておすすめです。