
外反母趾の治療方法は大きく分けて「手術」と「保存療法」があります。
保存療法は手術を行わず、装具や運動療法で症状の進行を防ぐ方法。
一方で手術は変形そのものを矯正する方法です。
どちらを選ぶべきかは、症状の程度や生活スタイルによって異なります。
今回は、手術と保存療法の違い、メリット・デメリット、そして選び方のポイントを解説します。
保存療法とは
保存療法は、変形の進行を抑え、痛みを軽減することを目的とします。
- インソールや足底板によるアーチサポート
- 外反母趾用サポーターの使用
- 足指運動(タオルギャザー・足指じゃんけん)
- 靴の調整(幅広・クッション性・先が丸い靴)
メリット
- 体への負担が少ない
- 日常生活にすぐ復帰できる
- 高齢者や持病のある人でも可能
デメリット
- 変形を元に戻すことはできない
- 効果は進行抑制や症状緩和に限られる
手術療法とは
手術療法は、変形した親指の骨を削ったり位置を変えたりして矯正します。
- 骨切り術(中足骨を切って角度を修正)
- 関節形成術(変形部の関節を整える)
- 靭帯・腱のバランス調整
メリット
- 変形そのものを矯正できる
- 痛みや靴の不具合を根本的に改善しやすい
デメリット
- 入院やリハビリが必要
- 術後の再発リスクがある
- 術後数週間〜数か月の安静が必要
保存療法が向いているケース
- 軽度〜中等度の外反母趾
- 痛みはあるが日常生活に大きな支障がない
- 高齢や持病で手術リスクが高い場合
手術療法が向いているケース
- 重度の外反母趾(角度が大きい)
- 保存療法でも痛みが強く改善しない
- 靴が合わず歩行が困難な場合
選び方のポイント
- 症状の程度を正確に把握する
→ レントゲン検査で角度や関節の状態を確認 - 生活の質(QOL)への影響度を考える
→ 痛みや歩行障害が日常生活を制限しているか - 医師と十分に相談する
→ 保存療法と手術の両方の説明を受け、納得した上で選択
まとめ
外反母趾の治療は、「今の生活で困っている症状」を基準に選ぶことが大切です。
軽度であれば保存療法で進行を防ぎ、重度や生活に大きな影響がある場合は手術を検討しましょう。
いずれの方法も、術後・治療中のケアを継続することが再発予防につながります。