
外反母趾が進行し、保存療法では痛みや歩行障害が改善しない場合、手術が検討されます。手術は変形を矯正し、痛みを軽減する有効な方法ですが、成功には正しい理解と準備、そして術後のリハビリが欠かせません。
本記事では、外反母趾手術の一般的な流れと注意点、退院後のリハビリのポイントについて詳しく解説します。
手術の適応
- 強い痛みが続き、日常生活に支障をきたしている
- 保存療法(靴の工夫、インソール、体操など)で改善しない
- 変形が進み、靴が合わない・歩行が困難になっている
- 関節リウマチや合併症によって変形が急速に進行している
手術前の準備
手術前には、レントゲンや血液検査で足の状態と全身の健康を確認します。感染症予防のため、足や爪の衛生管理も重要です。また、術後はしばらく歩行制限があるため、家の動線を整えたり、必要なサポート用品(松葉杖、手すりなど)を用意しておきます。
手術の流れ(一般的な例)
- 麻酔:全身麻酔または腰椎麻酔で痛みを感じない状態にします。
- 骨切り・矯正:変形した骨を切り、正しい位置に戻します。方法は症状により異なります(例:Chevron法、Scarf法など)。
- 固定:矯正した骨を金属スクリューやピンで固定します。
- 傷の閉鎖:皮膚を縫合し、ガーゼや包帯で保護します。
入院と術後の経過
- 入院期間は2〜7日程度が一般的
- 術後1〜2日で松葉杖歩行を開始することもある
- 術後1〜2週間で抜糸
- 3〜6週間は専用の術後靴を着用して歩行
リハビリの重要性
術後のリハビリは、再発防止と機能回復に不可欠です。
- 足指の可動域訓練:関節が固まらないように早期から開始
- 足裏・ふくらはぎの筋力強化:アーチを支える筋肉を鍛える
- 正しい歩行練習:体重移動のバランスを整える
手術後の注意点
- 無理な運動や長時間の歩行は避ける
- 傷口の清潔を保ち、感染予防に努める
- 術後6ヶ月程度はハイヒールや先の細い靴を避ける
- 再発を防ぐため、靴選びや足のケアを継続する
まとめ
外反母趾手術は、正しい適応と十分な準備、術後のリハビリを組み合わせることで高い改善効果が期待できます。入院から退院、その後のリハビリまでの流れを理解しておくことで、安心して治療に臨めます。手術はゴールではなく、足の健康を取り戻すためのスタートラインです。