
妊娠や出産を経た女性の中には、「以前より足の形が変わった」「親指の付け根が出っ張ってきた」と感じる人が少なくありません。実は、妊娠・出産期は外反母趾が進行しやすい時期です。ホルモンや体重の変化、生活習慣の変化が足の構造に影響を与えるためです。本記事では、妊娠・出産後に外反母趾が増える原因と、自宅でできるケア方法について解説します。
妊娠・出産後に外反母趾が増える原因
1. ホルモンの影響
妊娠中は、出産のために「リラキシン」というホルモンが分泌され、靭帯が柔らかくなります。これにより関節が緩み、足の横アーチが崩れやすくなります。
2. 体重増加
妊娠中は平均で7〜12kg程度の体重増加があり、足への負担が大きくなります。これにより親指の付け根にかかる圧力が増え、外反母趾が進行しやすくなります。
3. 靴の選択肢の変化
妊娠後期はむくみやすく、楽な履き物(スリッパやサンダル)を多用しがちです。これらは足をしっかり支えられず、アーチの崩れを助長します。
4. 育児中の生活習慣
出産後は抱っこや授乳で長時間同じ姿勢になることが多く、運動不足や片足重心が増えるため、足のバランスが崩れやすくなります。
妊娠・出産後の外反母趾ケア方法
靴選びの工夫
- 足幅に余裕のあるスニーカーや安定感のある靴を選ぶ
- ヒールは控えめにし、3cm以下を目安にする
- 靴底はクッション性と滑りにくさを兼ね備えたものを選ぶ
足の筋力トレーニング
- タオルギャザー運動:足指でタオルをたぐり寄せる
- 足指じゃんけん:足指でグー・チョキ・パーを繰り返す
- 裸足ウォーキング:自宅や芝生の上を裸足で歩く
体重管理
産後は無理のない範囲で体重をコントロールし、足への負担を減らすことが大切です。
インソールや装具の活用
アーチサポート付きインソールや夜間用のバニオンスプリントを活用することで、変形の進行を抑えられます。
注意点
- 妊娠中や出産直後は無理な運動を避け、体調に合わせてケアを行う
- 強い痛みや急激な変形がある場合は、整形外科で相談する
- 授乳や育児中は足を休ませる時間を意識的に作る
まとめ
妊娠・出産後は、ホルモンや体重の変化、生活習慣の影響で外反母趾が進行しやすい時期です。しかし、靴選びや筋力トレーニング、体重管理を意識すれば予防や改善は可能です。日常生活に取り入れやすいケアから始め、将来も健康な足で育児や生活を楽しめるようにしましょう。