
外反母趾は靴の形や足の構造だけでなく、全身の病気とも関係しています。そのひとつが関節リウマチです。関節リウマチは免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気で、足の関節にも影響を及ぼします。
特に親指の付け根は負担がかかりやすく、炎症や変形が外反母趾を引き起こすことがあります。本記事では、関節リウマチと外反母趾の関係、そのリスク、そして対策について解説します。
関節リウマチとは
関節リウマチは自己免疫疾患の一種で、免疫が自分の関節を攻撃してしまう病気です。関節に炎症が起こり、腫れや痛み、こわばりが生じます。進行すると軟骨や骨が破壊され、関節の変形を招きます。特に手や足の小さな関節から症状が出やすく、足部では親指の付け根(第1中足趾節関節)も侵されやすい部位です。
関節リウマチが外反母趾を引き起こす理由
- 炎症による関節の破壊
関節リウマチによる炎症が長く続くと、骨や軟骨が破壊され、親指の位置がずれやすくなります。 - 靭帯や腱の弱化
関節を支える靭帯や腱も炎症で弱くなり、足のアーチが崩れやすくなります。 - 歩行バランスの変化
痛みを避けるために歩き方が変わり、偏った荷重が外反母趾を進行させることがあります。
リスクと注意点
- 関節リウマチを持つ人は、外反母趾が進行しやすい傾向があります。
- 炎症の影響で、一般的な外反母趾よりも短期間で変形が進む可能性があります。
- 痛みのために運動不足になり、足の筋力が低下することでさらに症状が悪化します。
対策と予防
- 早期の炎症コントロール:医師の指示に従い、薬物療法で炎症を抑える
- 靴選びの工夫:足幅にゆとりがあり、衝撃吸収性の高い靴を選ぶ
- インソールの使用:アーチサポートと圧力分散機能を持つものが有効
- 運動療法:痛みのない範囲で足指運動やストレッチを行い、筋力維持に努める
- 定期的な足のチェック:腫れや赤み、形の変化がないかを観察する
まとめ
関節リウマチは関節の炎症や破壊を通じて外反母趾を引き起こす原因となります。炎症をコントロールし、足に負担をかけない生活習慣を心がけることが重要です。特にリウマチ患者は変形の進行が早いことがあるため、早期から靴選びやインソール、運動療法などの予防策を取り入れることが、足の健康を守る鍵となります。